成年年齢引き下げに伴って増加した消費者トラブル

18歳19歳からの相談が増加

2022年4月に成年年齢が引き下げられてから1年が経ちました。18歳から親の同意がなくても様々な契約が結べるようになりましたが、未成年者取消権が適用されなくなるなど、消費者トラブルに巻き込まれるリスクも増えています。
ここでは、18歳19歳で増加した消費者トラブルと、トラブルに遭わないためのポイントを紹介します。新たに成人になった人や同年代の子供を持つ親世代の方々は、どのようなトラブルがあるのかを把握して対策を考えておくことが大切です。

18歳19歳の間で特に増加した消費者トラブル

1,エステや美容サービスの契約トラブル
エステや美容サービスでは、施術の契約や関連商品の購入、施術前の説明不足などのトラブルが多く見られます。また、SNSの広告普及などにより男性の相談も急増しています。
事例
「無料体験の施術後に「施術の効果が上がる」と勧められ高額な化粧品を購入させられた」

「無料相談を受けにお店に行ったら「今日契約すれば割引になる」と言われ1年間のコース契約を勧められた。断り切れずに契約したが、高額な契約料金を支払えるか不安なので解約したい」

「施術後すぐに化粧できるようになると聞いていたのに1ヶ月たっても腫れがひかない」
ポイント
・美容医療サービスは、サービスの提供機関が2ヶ月(エステは1ヶ月)、契約金が5万円を超えるものはクーリング・オフの対象となります。

・美容目的の施術は、多くの場合緊急性が低いと考えられます。「今すぐ契約すれば安くなる」など契約を急かされても、冷静に考える時間を作りましょう。

・施術方法、効果や副作用、薬や材料の安全性、解約条件などについてしっかり理解してから契約するかどうかを決めましょう。

・エステサービスは長期間にわたる契約であり、その分、契約金額も高額になります。無料やお試しといった言葉に惑わされず、事前に評判や実績などの情報を収集して、信頼できる業者を選びましょう。
2,健康食品や化粧品などの定期購入トラブル
「お試し500円」や「今なら90%オフ」などの広告を見て、1回きりのつもりで購入したら実は複数回購入しなければならない定期購入だったという相談が増えています。安さを強調する一方、定期購入であることが分かりづらく記載されている広告もあるので注意が必要です。
事例
「動画サイトで有名人も使っている化粧品がお試し500円という広告を見て、1回試してみようと思い購入した。翌月も同様の商品が届き、5,000円の請求書も同封されていた。必要ないので返品の電話をしたが「4回の定期購入が条件で返品や解約は受付けていない」と言われた」

「SNSで美容サプリメントの広告を見て販売サイトにアクセスした。初回980円、2回目以降7,000円の定期購入だが、1回だけの利用でも解約できると書いてあったので申し込んだ。商品が届き、2回目を解約しようと思い電話したが「初回分を定価10,000円で購入すれば解約に応じる。返品特約にも書いてある」と言われた。解約に条件があるとは知らなかった」

「ネット通販で5回の定期購入・初回のみ80%オフという健康飲料を注文した。商品発送の8日前までに電話すればいつでも解約できるという記載があったが、何度電話をしても一向に繋がらない」
ポイント
・商品の効果や低価格をうたう表示が目立つように書かれている一方、「◯回の定期購入が条件」や「2回目以降は通常価格」などの表示は、ページの下の方に書いてあったり、文字が小さかったりして読み飛ばしてしまうことがあります。購入前にしっかり確認しましょう。

・商品の解約や返品の条件も確認することが必要です。通信販売はクーリング・オフに対応していないため、事業者が定めた返品特約に従うことになります。事業者によって様々な条件を付けている場合がありますので、事前にしっかり確認しましょう。特約が定められていない場合は、商品を受け取った日から8日以内であれば消費者が送料を負担することで返品することができます。

・事業者に連絡をする際は、いつ連絡したかが分かるように記録を残しておきましょう。電話がつながらなかった場合でも通話履歴に残しておき、メールやファックスの場合は送った文章をしばらく保管しておきましょう。
3,仮想通貨などへの投資や情報商材の儲け話トラブル
「簡単に稼げる」「絶対に儲かる」と勧誘し、投資資金をだまし取ろうとしたり、高額な情報教材を購入させるというトラブルが増えています。SNSなどで高級車やブランド品を身に着けた写真を投稿して若者の興味を引く手口もあるので、うまい話は鵜呑みにしないようにしましょう。
事例
「SNSで知り合った人から絶対儲かるという株投資の情報商材を購入したが、ぜんぜん儲からない」

「マッチングアプリで知り合った人から暗号資産で儲けてみないかと誘われた。暗号資産の購入や運用も代わりにしてくれるというので指定された口座に100万円を振り込んだが、しばらくしたら音信不通になってしまった」

「大学の先輩からいい話があるとセミナーに誘われた。「海外事業者に投資するとAIによる自動運用で毎月10万円の配当がある」と説明されて、先輩から50万円投資するよう言われた。「お金がない」と断ったが「すぐに返済できるから学生ローンを組めば良い」と言われて断り切れずにローンを組んで投資したが、まったく配当が入らない」
ポイント
・うまい話はありません。「絶対儲かる」や「楽して稼げる」などの言葉は信じないようにしましょう。

・SNSやマッチングアプリでのみやり取りしている場合、本人確認が難しく、突然音信不通になる可能性もあります。やりとりがオンラインに限られている相手の勧誘には安易に応じないようにしましょう。

・「契約しない」とはっきり断りましょう。「お金がない」と断ると、借金してもすぐに返済できるからと言って、消費者金融や学生ローンを組むように言われてしまいます。
4,クレジットカードや消費者金融などの借金トラブル
クレジットカードで気づかないうちに使いすぎてしまった。友人知人に誘われて断り切れずにお金を借りてしまったというトラブルが多く見られます。カードの使い過ぎや、周りに流されて借金することが無いように注意しましょう。
事例
「クレジットカードのリボ払いで買い物をしていたら、いつの間にかカードの限度額に達してしまった。手数料も高額になり返済ができない」

「友達に頼まれて、断り切れずに自分の名義で金融機関からお金を借りてしまった」
ポイント
・リボ払いは毎月の支払額が一定になる決済方法です。手元にまとまったお金がなくてもカードが利用できる反面、債務不履行に陥るリスクも高いです。支払残高や返済期間など、自身の利用状況をこまめに確認するようにしましょう。

・名義貸しは詐欺罪などの刑事事件に発展する場合もあります。「どうしてもお金が必要だ」と頼まれてもはっきり断りましょう。
5,架空請求に関するトラブル
「利用した覚えのない請求が届いたがどうしたらよいか」という架空請求に関する相談が多く寄せられています。請求方法は電子メール、SMS、ハガキなどで、支払い方法も、口座振り込みやプリペイドカードの番号を伝えるように仕向けたりと多様化しています。
事例
「SMSにアプリの利用料金が未払いになっているとメッセージが届いた。サイトにアクセスして個人情報を入力したが、実際は未払い料金は発生していなかった」

「覚えのない契約の未払金があるとハガキが届いた。支払わないと訴訟すると書かれているがどうしたらいいか」

「通信会社を名乗るSMSで通信料を請求された。コンビニでプリペイドカードを購入して番号を伝えたが、よく考えたら不審なので返金してほしい」
ポイント
・偽サイトに入力した個人情報は、盗み取られて別の詐欺事件などで悪用されてしまう場合があります。webサイトにアクセスするときは、URLを直接入力するか、公式アプリから入ることを心掛けましょう。

・身に覚えのない請求は無視しましょう。相手に連絡すると、やり取りの中で金銭を要求されたり、電話番号などのまだ知られていなかった個人情報を教えてしまうことに繋がります。

・届いた通知が架空請求か判断できない場合は、最寄りの消費生活センター(消費者ホットライン 188)に相談しましょう。
6,SNSや出会い系アプリの詐欺や勧誘トラブル
マッチングアプリ等は真剣な出会いの場として広く浸透しています。一方で、中には悪意をもった利用者が紛れ込んでいます。事前に利用規約をよく読み、違反する行為や疑わしい行為を持ち掛けて くる相手とはやり取りを行わないようにしましょう。
事例
「画像投稿SNSで知り合った相手から誘導されて出会い系サイトに登録した。連絡先の交換に必要だとして電子マネーでポイントを購入したが結局連絡先は交換できなかった」

「婚活アプリで知り合った相手から「前から行きたかったお店がある」と飲食店に誘われた。普通に食事をしただけなのに高額な代金を請求をされてしまった。詐欺だと思うがどうすればよいか」

「マッチングアプリで知り合った相手と仲良くなったので、無料通話アプリを交換して頻繁にやり取りを始めた。数か月後、2人の将来のためにと言って紹介されたFX取引のアプリをインストールして合計で200万円を振り込んだ。ある日、サイトにアクセスできなくなったので相手に相談しようとしたが、メッセージを送っても一向に既読にならない」
ポイント
・金銭目的で近づいてくる相手は、偽の個人情報を使用していたり、過去のやり取りを削除してしまいます。チャットやメッセージのやり取り、カードや電子マネーの支払い記録を残しておく事で、被害を証明しやすくなります。

・マッチングアプリを通じたぼったくり被害は増加傾向にあります。出会った相手とお店がグルだったというケースもあるので、店名や住所を聞いて事前に評判をチェックしましょう。

・マッチングアプリなどで知り合った相手の指示で投資をするのはやめましょう。個人名義の口座に振り込ませたり、架空の投資サイトに誘導することでお金をだまし取られてしまいます。
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