若者に多い消費者トラブル

2022年4月1日から成年年齢が18歳になります

 成年になると親の同意がなくても自分の意志で様々な契約ができるようになります。その一方で、未成年者取消権が使えなくなります。自由にできることが増える反面、その責任も自分で負わなければなりません。トラブルにあわないためにも、慎重な契約を心がけましょう。

※未成年者取消権とは、未成年者が親の同意なく契約した場合、原則としてその契約を取消すことができる権利です。(故意に成年と偽った場合などは取消せない可能性があります。)

契約するときの注意点

1、契約する前にいったん立ち止まる
  冷静になって考える時間を取りましょう。
2、うまい話にすぐ飛びつかない
  「絶対儲かる」や「今だけ」などの言葉には気を付けましょう。
3、SNS等インターネット上の情報を鵜呑みにしない
  信頼できる情報か調べてみましょう。
4、契約を急かされる時は特に注意する
  言われるがまま契約しないようにしましょう。
5、断るときははっきり「いらない」と言いましょう
  「お金がない」だとローンを組むように誘われてしまうことがあります。

若者に多い消費者トラブル

 私たちの周りにはさまざまな商品やサービス、情報があふれています。便利で快適な生活を送れる反面、消費者トラブルも多様化しています。トラブルにあわないためには、正しい知識と判断力をもつことが大切です。特に成人になったばかりの若者は、経験や知識の乏しさからトラブルにあいやすいので注意が必要です。こうした若者の消費者トラブルを未然に防ぐために、巻き込まれやすいトラブル事例や契約上の注意点を紹介します。

インターネット利用時に多いトラブル

 情報の発信や収集、買い物、ゲームなど、インターネットは私たちの生活に欠かせないものとなっています。それにともない、インターネットに関連したトラブルも増加しています。また、最近のインターネットトラブルは多様化・巧妙化しているため注意が必要です。
オンラインゲーム
◯オンラインゲームで課金して、気付いたら請求額が高額になっていた。
 
  目に見えないお金を使うときは特に注意が必要です。使った総額を意識しながら、かしこく遊びましょう。

~注意点~
 軽い気持ちで課金アイテムを購入していたら、クレジット会社からの請求やキャリア決済額が高額になって困った、支払い能力を超えて課金してしまったという相談が後を絶ちません。クレジットカードやキャリア決済では、お金を見たり触ったりすることなく支払いが完了します。そのため、お金を使った感覚に乏しく使い過ぎに繋がってしまいます。課金するときはプリペイドカードを使う、キャリア決済の限度額を少額に設定することで使い過ぎを防止することができます。

※キャリア決済とは、アプリに課金した金額を一時的に携帯電話会社に負担してもらい、後日、携帯電話の利用料金と合わせて支払う方法です。

フリーマーケットアプリ(以下、フリマアプリ)
◯フリマアプリでトラブルが起きた。運営会社に相談したが取り合ってもらえない。

 運営会社は取引の「場」を提供するだけです。基本的には個人同士の取引になるため、トラブルが起きた場合は自分で解決する必要があります。アプリの利用規約をよく読んで、トラブルになった際のリスクをしっかりと把握しましょう。

~注意点~
 フリマアプリで起こるトラブルには以下のようなものがあります。少しでも気になることがある時は、取引前にしっかり確認しましょう。

売る時のトラブル
・お金が振り込まれない
・商品を送ったにもかかわらず、商品が届かないから返金しろと言われた
・執拗に値引き交渉をされ、応じなかったら評価を下げられた

買う時のトラブル
・商品が届かない
・商品が偽物、不良品だった
・届いた商品が壊れていた

共通するトラブル
・利用規約で禁止されている行為を求められる
・契約成立前に取引相手と連絡が取れなくなった

ワンクリック詐欺
◯スマホで広告をタップしたら「会員登録完了。入会金5万円」と表示された。支払わないといけないのか。
◯動画サイトを見ていたら、「入会ありがとうございます。入会金7万円をお支払いください」と表示され、その下にはタイマーも表示されている。時間内に支払えそうにないので事業者に連絡した方が良いか。

 ワンクリック詐欺です。事業者に連絡したり、お金を支払ってはいけません。

~注意点~
 近年のワンクリック詐欺の相談件数は年間1万件を超えており、実際にお金を振り込んでしまった事例も多く見られます。広告や無料サイトだと思ってクリックしたら突然請求画面が表示されるという手口が一般的です。事前に登録確認画面や有料であることの表示がなかった場合、料金を支払う必要はありません。慌てて事業者に連絡を取ってしまうと、電話番号、メールドレス、氏名などの個人情報が知られてしまい、二次被害にあう危険性があります。

インターネット通販(以下、ネット通販)
◯インターネットで「お試し500円」という健康食品の広告を見て注文したら、実は定期購入が条件になっていた。
◯「いつでも解約できます」と記載されていたが、業者と連絡が取れないため解約できない。

 ネット通販の定期購入トラブルは年々増加傾向にあります。注文を確定する前に、購入条件や返品・解約方法、事業者の連絡先などをしっかり確認するようにしましょう。

~注意点~
 「実質無料(送料のみ)」や「タイムセール〇%OFF」などのメリットは大きく表示していても、購入条件や返品・解約方法などの重要な情報は小さく表示されていて気が付きにくい販売サイトも存在します。通信販売はクーリング・オフ制度が適用されないので利用する時は注意しましょう。

勧誘に関するトラブル

 最近は、SNSを介して近づきサービスの契約を迫る手口が増えています。その一方で、学校の先輩や友人から誘われたり、街中で声をかけられた事がきっかけでトラブルに巻き込まれるケースも起きています。
暗号資産などへの投資
◯友人から「絶対に儲かる」と投資の誘いを受けた。信用して大丈夫か。
◯先輩から「損はしない」と暗号資産を買うように勧められた。興味はないが断りにくい。
◯投資で成功したという人とSNSで知り合った。その人から情報教材を10万円で購入して投資を始めたが全然利益が出ない。

 投資や暗号資産で「絶対儲かる」はありません。甘い言葉には注意しましょう。また、すぐに取り返せるからとローンを組むように言われることもあります。必要ないときは「いりません」とはっきり断りましょう。

~注意点~
 近年、将来に対する不安から投資に興味を持つ若者が増えています。その不安につけこみ暗号資産などへの投資を持ち掛けられます。セミナーやサークル、マッチングアプリなど勧誘先も多彩です。取引を行うかどうかの判断は慎重に行いましょう。

※暗号資産は「仮想通貨」とも言われ、インターネット上でやり取りされる通貨のことです。日本円やドルなどのように国がその価値を保証 している「法定通貨」とは違い価値が変動するため、価値が下がると損をする可能性があります。

タレント・モデルになれるかも
◯「芸能人にならないか」と声をかけられた。絶好のチャンスかもしれない。

 スカウト商法かもしれません。夢やあこがれから深く考えずに契約してしまうと、高額なレッスン受講料を請求されたり、アダルトビデオへの出演を強要されることがあります。すぐに契約するのではなく、具体的な活動内容や芸能事務所のサポート体制、それらに伴う費用負担など、契約内容をしっかり確認しましょう。

~注意点~
 繁華街などで遊んでいると「タレントになれる」「デビューできる」などと声をかけられる場合があります。すぐに契約するのではなく、まずは名刺を貰い家族など信頼できる人に相談しましょう。また、最近ではSNSを通じたオーディションに自ら申込み被害にあうケースも増えています。インターネット上の情報は鵜呑みにせずに、事務所の活動実績などを調べてから申込むようにしましょう。

無料キャンペーンだと思ったら
◯エステの無料キャンペーンに行ったら、継続して施術を受けるよう勧められ、断り切れずに高額なコース契約を結んでしまった。

 無料体験終了後、思いがけず高額なサービスや製品を勧められることがあります。納得してコース契約をする場合でも、契約内容はしっかり確認するようにしましょう。

~注意点~
 エステなどの無料キャンペーンでは、施術後に高額なサービスや商品の契約を勧められたり、有料のコース契約が条件となっている場合があります。無料体験を申込む時は、何が無料なのか、コース契約が前提になっていないかなどをしっかり確認しましょう。エステの契約のうち、利用期間が1カ月、または総額が5万円を超えるものはクーリング・オフ制度の対象になります。契約書はしっかりと保管しておきましょう。利用期間が1カ月を超えない場合や総額が5万円を超えないコースは、契約書が交付されないこともあります。不安な場合は解約条件を確認してから契約するようにしましょう。

製品事故に関するトラブル

 最近ではインターネットを通じて様々な商品を簡単に買うことができます。便利な生活を送れる一方で、事故や故障、誤った使用によるケガなどのトラブルに遭う事があります。製品事故にあわないために、商品を選ぶときは安全性をチェックし、使用前に取扱説明書をよく読みましょう。
カラーコンタクトレンズ
◯インターネットで格安のカラーコンタクトレンズを見つけた。買っても大丈夫?

 粗悪品や自身の目のサイズに合っていないレンズを使うと、さまざまな眼障害を引き起こしたり失明する危険性があります。カラーコンタクトを使用する場合は、必ず眼科を受診して処方に従ったレンズを選びましょう。


~注意点~
 カラーコンタクトレンズは「高度管理医療機器」に指定されています。購入する際は、パッケージに「高度管理医療機器」の名称と認証番号が記載されているか確認しましょう。海外製品の中には、日本の安全性・品質基準を満たしていない商品もあります。ネット通販などで海外製品を購入するときはリスクを認識しておきましょう。また、眼障害の中には自覚症状がないものもあります。異常がなくても3ヶ月に1回は定期検査を受けるようにしましょう。

サプリメントの服用
◯ダイエットサプリを購入して服用したら、急激に痩せて体調が悪化した。
◯複数のサプリメントを継続して服用していたら、食欲不振や倦怠感を感じるようになった。医師に相談したところ薬物性肝障害と診断されて1ヶ月以上入院することになった。

 サプリメントには、体質に合わなかったり大量に服用すると、健康に害を及ぼす成分が含まれている場合があります。また、薬を服用している場合、薬の作用に影響が出る可能性もあるので、服用前に医師に相談するようにしましょう。

~注意点~
 使用中に皮膚のかゆみや下痢などの異常が出た場合はすぐに使用を中止し、体調が改善しない場合は医師に相談しましょう。サプリメントは栄養成分を補う補助食品です。健康の維持増進には「栄養バランスの取れた食事、適度な運動、十分な休養」が大切です。

スマートフォンの充電
〇スマートフォンを充電していたらとても熱くなっていた。このまま充電を続けても大丈夫?

 充電中のスマートフォンや充電ケーブルが高温なると、火傷や発煙、発火などの事故につながる恐れがあります。異常に熱くなっているときは充電をやめて、メーカーや販売店に相談しましょう。

~注意点~
 充電端子の接続部にほこりや水分が付着したまま充電するとショートする恐れがあります。また、「寝落ち」などにより、充電したまま布団の中など放熱できない環境に放置することも危険です。

高温になったスマートフォンの冷まし方
1、充電をやめる
2、動画視聴やゲームをしている場合は使用を中止する
3、電源を切る
4、ケースやカバーを外す
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