制作工程

粘土

鹿追美蔓粘土は、地表の粗い褐色土、中層部の黄色土、深層部の白色土と
大きく3種類に分かれています。黄色土と白色土は微粒子で可塑性が高く
火に強い事が特徴です。鹿追焼は、これら3種類の粘土を主原料とし制作
します。又この粘土はよく焼締まるため釉薬を施さずに焼いても水を通し
ずらいことから炻器土とも呼ばれます。

製土

土練り

保管室で1年以上寝かした粘土は、水分の偏りが原因となって硬さのバラつき
がおきるため、成形前には必ず粘土を練り上げて全体の硬さが均一になるよ
うに整えます。

成形

電動ロクロ成形が主となりますが、形によってロクロ成形が困難な場合は
石膏型を使って作ります。

削り

成形後2日~3日程よく乾燥させた作品の底部をカンナ呼ばれる道具を使い高台を削り
だします。

乾燥

削り仕上げを終えた作品は、作品の表面全体が均等に乾燥が進むように3日~7日かけてゆっくり乾燥させます。

窯詰め(素焼)

乾燥した作品を重ねて隙間なく炉に詰めた後ゆっくり温度をあげていきます。

焼成(素焼)

釉薬(うわぐすり)を作品の表面に効率よく施すために850度の中温で
素焼きを行います。急激な温度上昇によって作品が破損しないように
15時間以上かけて仮焼きします。

窯出し

850℃で焼いた作品は、48時間自然冷却し炉内が100℃以下になってから
作品を取り出します。

施釉

素焼の作品を濡らせたスポンジ等で作品表面の汚れを落とし、落款部分に撥水
処理を施してからオリジナルの釉薬を施します。

窯詰め(本焼)

作品を焼成炉の最下部から1段ずつ上部まで詰めます。焼成時に作品どうし
が溶着しないように、1cm程度の間隔で並べていきます。

焼成(本焼)

本焼は、釉薬を溶かし、ベースとなる粘土をより硬く丈夫にして釉薬と粘土を
一体化させる工程となります。約24時間かけて1,240℃前後に温度を上げます。
釉薬の種類や色味によって(酸化)や(還元)といった焼き方を行います。

窯出し

本焼きが終了してから約60時間自然冷却し100℃以下になってから炉から作品を
1点ずつ取り出します。キズなどの欠陥がないか一点一点検品します。

仕上げ

作品底の高台と言われる部分を砥石やサンドペーパーなどで磨いた後、洗浄と
乾燥を行い完成となります。

完成

 昭和50年より作られ始めた鹿追焼は、技術者の長年の経験によって培われた
技術や知識によって年々進化を遂げています。
 使う方の様々なニーズに応えることが出来るように日々探求していきますので
今後も皆様のご愛敬をお願い申し上げます。
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